2015年07月01日

世紀の舞姫シルヴィ・ギエムが日本公演を最後に現役引退〜〈ライフ・イン・プログレス〉〈シルヴィ・ギエム ファイナル〉のみどころをご紹介!

photo : Gilles Tapie

 長らくバレエ界の先端を歩んできた女王シルヴィ・ギエムが本年(2015年)をもって現役を引退する。ファイナルの最終地として選ばれたのが日本だ。ギエムの軌跡を振り返りつつ12月に行われる東京公演&全国公演のラインアップをご紹介する。

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公演のみどころ

 至上の演技に接するたびに同じ時代に生きる幸せを噛みしめるアーティストがいる。シルヴィ・ギエムはバレエを愛する多くの人々にとって特別な存在ではないだろうか。強靭なテクニック、抜群のスタイル、類まれなる美貌… デビュー当初から“100年に一度の逸材”と称され、年を重ねるごとに演技に円熟味を増し、観るものを魅了し続けてやまない。
ギエムは元々体操選手だったが資質を見出されバレエに転向し19歳でパリ・オペラ座バレエ団のエトワールとなる。英国ロイヤル・バレエ団へゲスト・プリンシパルとして移籍した際に“国家的損失”と騒がれたのはあまりにも有名だ。ケネス・マクミランの『マノン』等で独自の解釈を示して反響を呼ぶと同時に故モーリス・ベジャールのような大御所からコンテンポラリー・ダンスの世界で注目を浴びる気鋭たちまで第一線で活躍するクリエイターと協同作業を重ねてきた。常に進化/深化を遂げてきた世紀の舞姫といっていい。
親日家でもあり1980年代から来日を重ねている。東京バレエ団との〈シルヴィ・ギエム・オン・ステージ〉では津々浦々を回りバレエ・ファンの拡大に多大な貢献を果たしてきた。2011年秋に東日本大震災復興チャリティ・ガラ〈HOPE JAPAN〉を東京で行い、その後被災地の福島、岩手を含む全国各地を回って希望の光をともしたのも記憶に新しい。

 そんなギエムが現役を引退する。昨年(2014年)8月、日本でその報が流れると、テレビや新聞で大々的に報じられた。〈ライフ・イン・プログレス〉と名付けられた引退公演は、今年3月から世界各地で行われ日本で幕を閉じる。舞台を去るのは残念極まりないが現役最後の地としてわが国を選んだギエムの想いに感激したのは筆者だけではあるまい。

シルヴィ・ギエム【東京公演】 「Life in Progress(ライフ・イン・プログレス)」

photo : Bill Cooper

 東京公演〈ライフ・イン・プログレス〉では、英ロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場公演等でも上演されたギエム出演作品を観ることができる。マッツ・エック振付のソロ『バイ』(『アジュー』改題)は、2011年に日本で披露され大きな感動をもたらした。表現者として脱皮を繰り返してきたギエムの軌跡を凝縮したかのような、みずみずしくて刺激的な舞台が蘇る。インド舞踊カタック出身のアクラム・カーンによる新作『テクネ』もギエムのソロ。日本でも二度上演され好評を博した『聖なる怪物たち』でもタッグを組んだコンビの新たな境地に期待したい。コラボレーションを重ねる異才ラッセル・マリファントの新作『ヒア・アンド・アフター』はエマニュエラ・モンタナーリとの女性デュオということで注目される。加えて東京バレエ団による『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』(ウィリアム・フォーサイス振付)、『ドリーム・タイム』(イリ・キリアン振付)を上演。前者は東京バレエ団初演となる。

シルヴィ・ギエム ファイナル【全国公演】

photo : Kiyonori Hasegawa

 地方や東京近郊では〈シルヴィ・ギエム ファイナル〉と題して、ギエムが幾度となく踊り、折々表情の異なる演技を見せてきたベジャール振付『ボレロ』(東京バレエ団共演)と、驚異的な運動神経と身体コントロールが発揮されるマリファント振付のソロ『TWO』を踊る。こちらも見逃せない。併演は東京公演と同じく東京バレエ団による『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』『ドリーム・タイム』。 ギエムの踊りは完全無欠といえるくらいに隙がなく圧倒的だが、近年は優しさや厳しさ、哀しさ、愛おしさといった人間味がにじみ出ており深い感銘を受ける。そんな矢先の引退に寂しさを禁じえないけれども「成長し続ける人生」を体現するギエムが次の一歩を踏み出す瞬間に喝采を贈りたい。彼女にとっても私たちにとっても人生は続いていく…。

[文/高橋森彦(舞踊評論家)]

公演概要

■シルヴィ・ギエム 「Life in Progress」

<公演日・会場>
2015/12/16(水)〜20(日) 東京文化会館 大ホール(東京都)※12/16(水)は追加公演
出演:シルヴィ・ギエム、東京バレエ団
予定プログラム:
『バイ』(ギエム)
アクラム・カーン『テクネ』 ソロ(ギエム)
ラッセル・マリファント新作『ヒア・アンド・アフター』(ギエム、エマニュエラ・モンタナ―リ)
『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』(東京バレエ団)
『ドリーム・タイム』(東京バレエ団)

■シルヴィ・ギエム ファイナル

<公演日・会場>
2015/12/9(水) 川口総合文化センター リリア メインホール (埼玉県)
2015/12/10(木) 相模女子大学グリーンホール 大ホール (神奈川県)
2015/12/12(土) オーバード・ホール(富山県)
2015/12/13(日) 新潟県民会館(新潟県)
2015/12/14(月) 前橋市民文化会館(群馬県)
2015/12/22(火) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール (兵庫県)
2015/12/23(水・祝) アルファあなぶきホール(香川県)
2015/12/25(金) 福岡サンパレス ホテル&ホール (福岡県)
2015/12/26(土) 愛知県芸術劇場 大ホール (愛知県)
2015/12/28(月) 広島文化学園HBGホール(広島県)
2015/12/30(水) 神奈川県民ホール(神奈川県)
出演:シルヴィ・ギエム、東京バレエ団
予定プログラム:
『ボレロ』(ギエム、東京バレエ団)
『TWO』(ギエム)
『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』(東京バレエ団)
『ドリーム・タイム』(東京バレエ団)
※一部、イープラスでの取扱いがない公演会場もございます。


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2015-07-01 12:59 この記事だけ表示