2014年08月08日

“タップダンス界のアカデミー賞” フローバート賞受賞!凱旋公演『HEAR MY SOLE』に挑む熊谷和徳インタビュー!

 今年5月、タップダンス界において栄誉あるフローバート賞(Flo-Bert Award)に輝いた熊谷和徳。現在ニューヨークを拠点に世界的に活動する熊谷が受賞に際しての思いや近況、きたる9月12日-13日にBunkamuraオーチャードホールにて行われる新作『HEAR MY SOLE』への意気ごみを語った!

熊谷和徳インタビュー

――フローバート賞を受けられた感想をお聞かせください。
 頂いた時にはニューヨーク(以下NY)に来てから今までのことを回想しました。授賞式の挨拶では故人のタップダンサー、ジミー・スライド、バスター・ブラウン、グレゴリー・ハインズや出会ってきた人たち、家族に感謝しました。出身は仙台なのですが、震災に関わる活動、人道的な貢献も受賞に繋がりました。故郷にも感謝しています。ただ賞を頂き有り難いのですが、それで何かが変わるわけではありません。意味のあるものにするのは、これから先の自分の活動次第だと思います。

――拠点とするNYでの活動についてお話しください。
 去年は文化庁新進芸術家海外研修制度を利用して1年間滞在しました。今年に入ってからは頻繁に行き来しています。アメリカのタップダンスの財団(American Tap Dance Foundation)があって、練習したり、教えたり、イベントでパフォーマンスをしたりしています。NYはタフな場所ですが1年半準備をし、これから徐々に活動が広がりそうです。

――9月に東京で凱旋公演『HEAR MY SOLE』を行います。
 前回(2014年1月)の『DANCE TO THE ONE』はNYから帰ってきてからの新しい活動のスタートでした。その続きをやる話があった時に再演ではなく新しいことをしたかった。前回はミュージシャンの方々が入りましたが今回は完全なソロです。

――建築家の田根剛さん(空間)、遠藤豊さん(テクニカルディレクター)との協同作業です。
 田根くんから今年4月にミラノでアートインスタレーションがあるのでパフォーマンスをしないかという話がありました。そのコンセプトを練る段階で一緒にやらないかとお願いしました。ミラノでの経験から全く新しいインスピレーションが生まれました。空間に人が入ることによって空気が変わる。彼はパリに遠藤さんはアムステルダムに住んでいる。海外で頑張る人と同じ気持ちになれた。いいものを創ろうという志が凄く高い。


――どのようにクリエーションを進めていますか?
 自分が今思うこと、伝えたいことを文章にします。彼らがそれを空間にどう表現するのか――。1番のコンセプトとして「内なる声を聴く」というのがあります。世の中と自分の表現はどこかでリンクする。それは震災以降はっきり強くなっている。あの時点から世の中というか日本の皆の心は大きく変わってきていると思う。今の時代に僕達の世代から僕達なりの感性で伝えるべきメッセージを共有しながら、空間や美術、音楽、そしてタップのリズムをクリエイトしています。

――チラシに「リズムと言葉と空間が作り出すストーリー」というコピーが出ています。
 自分にとってはタップのリズムが言語みたいなもの。でも言葉になりきれないものを伝えたい。世の中が複雑になっているなかでポジティブに明かりを灯したいなと。観ている方々それぞれの言葉があるのでリズムから心の中で思い浮べてもらえれば。言葉の無いメッセージはポジティブに前に向かう原動力になると思います。

――今後の展望についてお聞かせください。
 今は『HEAR MY SOLE』に全精力を注いでいます。1つ駄目だったら次は無いと思うし、次の公演は今の自分の全て。ただ、タップダンサーとしてはこの先ずっと続くので、NYを拠点にしながら東京・仙台を含め自分の活動が繋がり、大きな輪になって広がれば。NYから日本に帰るとホッとする部分もありますが、同時に外から見ると危機感も感じます。自分も子供がいて何世代も先の未来を考えさせられる。とはいえ自分は余り遠くを見るタイプではないので、今やるべきこと、今の瞬間瞬間を大切にしていきたいです。

[取材・文=高橋森彦(舞踊評論家)]
[写真=渡辺マコト]

TBS系TV番組『バースディ』に出演!

8月9日(土)17:00 『バースディ』(TBS系放送予定) で熊谷和徳特集が放送決定。 世界で認められた日本人タップダンサーに密着! 驚愕のパフォーマンスの秘密とは?
http://www.tbs.co.jp/birth-day/

公演概要


熊谷和徳 TAP Solo Project 2014 "HEAR MY SOLE"

<公演日程>
2014/9/12(金)〜9/13(土) Bunkamuraオーチャードホール (東京都)
空間:田根剛
テクニカルディレクター:遠藤豊

2014-08-08 13:22 この記事だけ表示