2014年05月21日

「ロイヤル・エレガンスの夕べ2014」“マスト・シー”公演と言える3つの理由 海野 敏(東洋大学教授、舞踊評論家)

 東京では毎年多くのバレエ公演が開催されているが、ぜひ見てほしいとお薦めできる公演は限られている。とりわけガラ(バレエコンサート)となると、なおさらだ。そんななか、「ロイヤル・エレガンスの夕べ」は、バレエファンにもバレエを習っている人にも自信をもって“マスト・シー”と言える公演である。その理由は3つ。

“マスト・シー”3つの理由

 第1の理由は、出演ダンサー。英国バレエの最前線で活躍中のダンサーが9人も来日する。

 サラ・ラムとスティーブン・マックレーは、ロイヤル・バレエ団の話題作『冬物語』で、若い王女と王子のカップルを演じて好評だった。ラムの踊りは明るくすがすがしく、マックレーの足さばきは驚くほど正確で美しい。ラウラ・モレーラとリカルド・セルヴェラも同じ作品で、物語の要となる貴族夫婦を演じている。また日本に生まれて世界で活躍している3人、佐久間奈緒、崔由姫、平野亮一の堂々とした踊りは、私たちを誇らしい気持ちにしてくれるだろう。

 第2の理由は、上演作品。ダンサー自らが選んだ14作品は、英国バレエの伝統と最先端を一息に見通せる、よく考えられたプログラムである。

 英国バレエの伝統と言えば、アシュトンとマクミラン。60年代と70年代にそれぞれロイヤル・バレエ団の芸術監督を務めた2人はさまざまな点で対照的だが、彼らの振付作品は世界中のバレエ団で上演され続け、わけても英国で大事にされている。この2人の作品が5つ。

 そしていっそう注目すべきなのは、英国バレエの最先端を披露してくれること。まだ20代にして「生まれながらのバレエ振付家」と呼ばれ、抒情的な振付を得意とするリアム・スカーレット、知的で都会的なコンテンポラリーダンスを創作するウェイン・マクレガー、そして『不思議の国のアリス』と『冬物語』の成功でアシュトン、マクミランの後継者と認められたクリストファー・ウィールドン、この3人の作品は見逃せない。

 第3の理由は、スタッフワーク。ロイヤル・オペラハウスと同じようにスプリング入りの床を設営し、作品ごとに最適な照明を、ロイヤル・バレエ団のスタッフが来日して仕込むという。観客からは見えにくいが、優れた舞台には欠かせない要素だ。

 2年前の初回公演は、とても楽しく、たいへん見応えがあった。そのうえ、日本初演の作品をたくさん見られて大いに満足した。この夏の公演も5作品が日本初演とのこと、バレエを愛するすべての観客を満足させてくれるに違いない。

[文=海野 敏(東洋大学教授、舞踊評論家)]

【出演ダンサー並びに演目変更のお知らせ】
出演を予定しておりました、平野亮一は怪我のため降板いたしました。
代わりまして、英国ロイヤル・バレエ団ファースト・ソリストとして多くのレパートリーを持つ、ベネット・ガートサイドの出演が決定いたしました。
ダンサー変更に伴い、以下の通り演目、出演の変更がございます。
「ロミオとジュリエット」→「コンツェルト」(振付:ケネス・マクミラン、出演:佐久間奈緒/ベネット・ガートサイド)
「レイヴン・ガール」→「瀕死の白鳥」(振付:ミハイル・フォーキン、出演:サラ・ラム)
「アスフォデルの花畑」(出演者のみ変更:佐久間奈緒/ベネット・ガートサイド)

誠に申し訳ございませんが、どうぞご理解くださいますようお願い申し上げます。
尚、この変更によりますチケットの払い戻しは致しかねます。合わせてご了承くださいませ。

公演概要

ロイヤル・エレガンスの夕べ2014

<公演日程>

〜英国バレエの伝統と今を伝えるショーケース公演〜
2014/8/8(金)〜8/10(日) 日本青年館 大ホール (東京都)

チケット申込

【特別企画 リハーサル見学会】
2014/8/8(金) 日本青年館 大ホール (東京都)

チケット申込

【特別企画 ファンミーティング】
2014/8/10(日) アリスガーデン (東京都)

チケット申込

<キャスト&スタッフ>
ラウラ・モレーラ Laura Morera 英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル
サラ・ラム Sarah Lamb 英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル
ネマイア・キッシュ Nehemiah Kish 英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル
スティーヴン・マックレー Steven McRae 英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル
崔 由姫 Yuhui Choe 英国ロイヤル・バレエ団ファースト・ソリスト
リカルド・セルヴェラ Ricardo Cervera 英国ロイヤル・バレエ団ファースト・ソリスト
ベネット・ガートサイド Bennet Gartside 英国ロイヤル・バレエ団ファースト・ソリスト
佐久間 奈緒 Nao Sakuma バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル
ツァオ・チー Chi Cao バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル

<〜英国バレエの伝統と今を伝えるショーケース公演〜>予定演目(3日間共通)
「真夏の夜の夢」よりパ・ド・ドゥ(オベロンとタイターニアのパ・ド・ドゥ)
振付:フレデリック・アシュトン
出演:ラウラ・モレーラ/ツァオ・チー

「レクイエム」よりソロとパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
出演:崔由姫/ネマイア・キッシュ

「エニグマ変奏曲」よりトロイトのソロ *日本初演
振付:フレデリック・アシュトン
出演:リカルド・セルヴェラ

「コンツェルト」
振付:ケネス・マクミラン
出演:佐久間奈緒/ベネット・ガートサイド

「眠れる森の美女」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
出演:サラ・ラム/スティーヴン・マックレー

「ルーム・オブ・クックス (Room of Cooks)」 *日本初演
振付:アシュリー・ペイジ
出演:ラウラ・モレーラ/リカルド・セルヴェラ/ネマイア・キッシュ

「メタモルフォシス:ティツィアーノ 2012 「トレスパス」 よりパ・ド・ドゥ」 *日本初演
振付:クリストファー・ウィールドン、アラステア・マリオット
出演:サラ・ラム/スティーヴン・マックレー

「エリート・シンコペイションズ」よりスウィート・ハート
振付:ケネス・マクミラン
出演:崔由姫/リカルド・セルヴェラ

「アスフォデルの花畑」より第2楽章
振付:リアム・スカーレット
出演:佐久間奈緒/ベネット・ガートサイド

「ディアナとアクティオン」
振付:A・ワガノワ改訂(マリウス・プティパより)
出演:佐久間奈緒/ツァオ・チー

「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン
出演:サラ・ラム

「Rotaryrotatory(ぐるぐる回る)」*世界初演
振付:クリスティン・マクナリー
出演:崔由姫

「QUIZAS(キサス)」 *日本初演
振付:ウィリアム・タケット
出演:ラウラ・モレーラ/リカルド・セルヴェラ

「チャルダッシュ」 *日本初演
振付:スティーヴン・マックレー
出演:スティーヴン・マックレー

*上演順ではございません。
*音楽は録音音源になります。
*出演者は2014年7月15日現在の予定です。出演者の怪我や病気その他やむを得ない事情により変更になる場合がございます。
*出演者の変更等により、やむを得ず演目が変更になる場合がございます。最終的な出演者・演目は当日発表とさせていただきます。

 
2014-05-21 18:49 この記事だけ表示